先週のMOVIDA SCHOOLは日本エイサーの宣伝・広報担当の砂流さんにお願いしました。
経営者や先輩起業家、あるいは投資家といった人にお願いすることが多いのですが、定期的に特定分野の専門家にも今後はもっとお願いしたいと思っていて、まずはスタートアップにとっても重要な広報の話をしていただきました。

自己紹介

最初に働いたのは実は秋葉原のPCショップ。
そこでPC周りの知識を得て、売り場での販売経験も生かしたマーケティングをやりたいということで5年くらい前に日本エイサーに入社。
広報を専業にしているわけでもなく、まだまだ駆け出し程度と思っているので、専門家として話すのはどうかと感じるが、自分が実践してきているものをお伝えしたい。
自分は勝手に2人の方を師匠と思っている。
1人目が博報堂ケトルの嶋浩一郎さん(著書の『ブランド「メディア」のつくり方―人が動くものが売れる編集術』は必読)で、もう1人がアメーバニュースの編集長などをやっている中川淳一郎さん(著書に「ウェブはバカと暇人のもの」)。
本じゃなくてもWebに連載のアーカイブあるので是非見て欲しい。

嶋さんの連載:
嶋浩一郎のビジネスパーソンが知っておきたいPR・編集講座
中川さんの連載:
ネットで人気者になるネタの生まれ方

誰かもしくは何かがあってそれを輝かせるのがPR

PRとは輝かせたいものを輝かせるためのものなので、本質はサービスや製品を磨き上げて魅力的なものになっていることが前提。
とあるサービスや製品のプロモーションを企画をすると想定した場合、そのプロモーション企画が世の中でどのように話題になっていくか?を考えるのがPR脳。
自社サービスや自社製品とのかけ合わせで話題性のあるタレントを起用したとしても、その組み合わせによって話題になるような仕掛け・組み立て方や発信の仕方が適切でない一方は話題になって、片方は全く話題にもなっていないというようなことはよく起こっている。
お金がないスタートアップであれば、話題性のあるタレントとかけ合わせることは出来ないのであるのだから、話題になるための仕掛けや発信の仕方をますます工夫しないといけない。

具体的にPRって?

雑誌を読んでいてファッションやカフェ、家電などの情報を見て、「これ俺のため情報じゃん!」って感じた経験があると思う。
PRというのはこのように自分宛だ感じられるメッセージをメディアや個人に通じて伝えて(記事化、話して)もらえるように企てることだと考えている。
広告は枠を買って生活者に訴求するが、PRは雑誌にお邪魔して編集者を通して(雑誌の文脈になって)読者に向けて紹介していただくように仕掛けること。
広告とPRの大きな違いはその目的。
広告は自社の商品やサービスを売り込むことであるが、PRは自社の商品やサービスに対する理解や信頼を獲得することであり、結果として生活者に自社商品やサービスを認識してもらうことである。

多面体で見せるのがPR

ケトル嶋さんの言葉に「そぎ落とすのが広告。多面体に見せるのがPR。」がある。
広告のメッセージというのは研ぎ澄まして、短い一言でも生活者に刺さる言葉を選び、それを媒体に載せていく。
一方でPRというのは生活者が接触するであろう商品・サービスにまつわる場面を切り取って、その組み合わせ、掛けあわせで露出を増やしていくことを考えていく。
例えば行列の出来るラーメン店のラーメンのプロモーションを考えてみると広告メセージは「麺だけに面食らう美味しさ」というものになるかもしれない。
多面体で露出を狙うとしたら「朝ラーメン」+「美容にいい」+「ダイエット」みたいな打ち出し方が考えられるかもしれない。
「美肌+血糖値をコントロールしてダイエット!朝ラーメン習慣でつくる愛され体質」とか女性誌に取り上げられそうじゃないか?といった風に発想していく。
(関係ないけど、女性誌読むのはいいよ!本質が結構書いてあるので勉強になる!CLASSY大好き「愛され〇〇」の特集とかw)

現象に乗っかる、あるいは現象をつくる

現象に乗っかるというのは話題になっているキーワードに合わせて話題にしていくこと。
例えば「おひとり様消費」が話題だとしたときに自社のサービス・商品が「おひとり様消費」と結びつけることを考える。
「おひとり様消費」が取り上げられるときに、その事例として紹介される可能性が上がる。
一方で自分たちで現象を作っていくことも出来る。
世の中で流行っているいくつかの事柄の類似性を取り出して、「現象」として取り上げられるように狙っていくもの。
例えば美容の場合、努力してダイエットするもの以外にも「はくだけ」や「つけるだけ」といった努力せずに普段の生活の中で取り入れられるものが流行りつつあるが、こういったものを「ついで美容」のようなキーワードでまとめてしまうことで「現象」として捉えてもらえる。
何らかキーワードで括ってもらえるように狙うと取り上げてもらいやすくなるので、周りにある事象をそのような目線で見ておくことも大事なこと

具体的なPR活動の流れ

こちらの記事にも紹介されたが、プロモーションの企画を考える段階で以下のような手順で考えると良い。

0)製品担当より情報を共有
1)情報整理
2)訴求方向決定
3)ファクトシート作成
4)活用シーン作成
5)メディアキャラバン
6)プレスリリース
7)製品販売&広告展開
8)ファクトシートと活用シーンを販促に応用
9)月間No.1リリース
10)メディアキャラバン

サービスや商品についての情報を整理し、何を訴求するのかの方向性をまずは決めることが大事。
続いてファクトシートを作成して、ターゲットとなるユーザー属性ごとに訴求するポイントを分解して整理、それぞれごとに利用されるシナリオを考える。
準備したものを雑誌やネット媒体といったメディアに対して説明していくキャラバンを行っていくが、ターゲットとなるユーザー属性に整理したシナリオを用いて説明することで記事掲載されやすくなる。
広告プロモーションをする場合は、事前にこのようなPR活動により先に記事掲載されていることで、より効果が上がるように考えていく。
ネット上に掲載されたニュースの蓄積されていれば、効果的なタイミングで広告プロモーションを投下することでブレークポイントを作ることが可能になる。
関連ニュースがある程度蓄積されたところで記者会見やマス広告といったブレークポイントを作ると、そこから一気に検索され、過去の記事もそのニュースの関連記事で読まれるといった効果も期待できるからだ。

まとめ

  1. PRはニュートラル発想
  2. PRは多面体でいい
  3. PRはプロモーションの前から仕込める
  4. PRは雑誌やネットニュースの文脈になることで自分ごととしてメッセージを受け取ってもらえる

冒頭の通り、PRというのはそもそも輝かせる対象がなければ意味がなく、本質は自分たちのサービスや製品を良いものに仕上げることが一番大事である。

普段から世の中で話題になっていることにアンテナを張ってることが非常に大事で、それとの組み合わせ、掛けあわせで自分たちのサービスや製品を世の中の生活者の文脈の中で理解してもらうことはできないかと、常に考えておくことがPR脳ということなんだと思いました。


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