先週のMOVIDA SCHOOLはアクセルマークの執行役員事業開発本部長で同社子会社のアクセルビート代表取締役を兼務する川野さんでした。
川野さんはご自身で創業したベストクリエイトを2011年にM&Aで売却(売上40億、時価総額18億円)して、アクセルマークに昨年JOINしています。
Y Combinatorの本のなかでもPaul GrahamがSalesについても重要視していているエピソードが出てきます。
川野さんは「起業して売却するまでに学んだ3つのこと」という話をしてもらったのですが、話の中にはこのSalesに関する話が多く、なかなか面白かったです。

起業のきっかけ

新卒で入ったのは総合商社の日商岩井(現在の双日)。
出身の宮崎には今でも地上波はNHK以外に2chしかなく、担当となった多チャンネル放送のスカパーは天職だった。
入社初年度は過去最高益となり、絶好調であったが翌年は巨額の赤字転落に。
当時は大企業がつぶれるなんてことは想像も出来ないことだったが、自分の会社が破綻危機に陥って、長銀や山一證券などが実際に経営破綻したことを目の当たりにしたことで、どんな大きな会社であっても絶対安定ということもないということを悟った。
これが後に起業するにあたって、気持ちを後押しすることになる出来事だったと思う。

ベストクリエイト創業

その後、所属していた情報産業本部は独立して投資育成会社のITXとなり、そこから携帯電話の販社に出向。
当時、携帯コンテンツの会社はどこも飛ぶ鳥を落とす勢いであり、一方で自分のやっていた携帯電話販社は売上目標のノルマもきつくてしんどい割には儲かっていないというgapが何とかならないかと感じていた。
思いついたのが、携帯コンテンツ会社から会員獲得費を頂いて、携帯ショップで携帯コンテンツを販売するモデル。
実際に試したところ、非常に上手く行ったので、この事業を自社販社以外にも提供することを企画したが認められなかったので起業を決意。
会社法が改正されて1円起業が可能になっていたので、4人の創業メンバーがそれぞれ1円ずつ出しあって資本金4円でベストクリエイトを創業した。
営業が肝であることは分かっていたため、電話をかけても直ぐに切られない社名にしようということで、ベストクリエイトにした。
(実際に電話かけて社名を名乗って、直ぐに切られないことを確認済みだったと、笑)

当時はまだ販売奨励金をキャリアが携帯ショップに払っていたため、1台売れると数万円入ってくる販売奨励金に対して、コンテンツ獲得費用は1件あたり数百円だったので、なかなか理解してもらえず売れない状況が続き、最初の1年間は無給で無休で働いた。
携帯端末に比べて在庫のリスクもなかったので、導入された店舗にはすごく感謝されていたので、コンテンツ市場が伸びていくのならば絶対に行けるだろうとは思っていた。
ターニングポイントになったのは2007年の販売奨励金制度が撤廃されたことで、これによって店舗の儲けが激減し、他の収益源を求める携帯ショップにとっても非常に魅力的なものに変わって一気に波に乗った。
コンテンツ会社も獲得予算を増やしていく中で、市場の追い風をうけて一気に攻めに転じた。

成長に向けての転機

このときに転機となる出来事がいくつかあった。

まず1つ目が信頼できる第三者の目を獲得できたということ。
当時現CAV社長の田島さんに出会い、最終的には出資してもらうこととなるが、経営に関して初めて第三者の観点で様々なアドバイスをしてもらうことで非常に勉強になった。
自分にはない知識や経験を持つ人から第三者的にアドバイスをもらうことは非常に大切であるので、できるだけ早くそういう人を得るようにして欲しい。

2つ目は近い将来リアルアフィリエイトは競争が激しくなることを想定して、大胆に攻める方針転換をした。
具体的にはまだ当時数百店舗のネットワークしかなく、規模も小さい一ベンチャーにすぎなかったが、大手の競合他社に対して事業を統合することを提案していった。
インターネット系のアフィリエイト会社にとっては店舗開拓は手間がかかり、自社のノウハウのほうが優っていたため、結果としてAdwaysやInterspaceからも出資を得る形で事業を統合することになった。

3番目の転機が業界最大手の携帯販売会社との資本業務提携。
競合として参入してくるという噂を聞いてすぐさま懐に飛び込むべく、一緒にやりませんかと提案したところ、即日意気投合して一気に資本業務提携に発展。
結果として、この資本提携を経て、多くのことを学んだ。

組織づくり

資本業務提携した先から学んだことの一つは組織づくり。
まずは数字は絶対に裏切らないということ。数字で絶対評価を行う。
進捗管理は管理者クラスが完全に現場担当者のタスクを把握していて、朝礼・夕礼で管理する。

特に営業チームの組成に関しては、事前に本人ときちんと目標設定していることが極めて重要で、ここの握り方で成長する組織を作れるか変わってくる。
ありがちなのは達成すべき数字から担当者への目標割当が決まっているパターン。
これでは、なぜその数字を担当者が達成しなければいけないのかの理解がないままに、頑張らせることになる。
出来る数字の積み上げで合意して、その数字の達成をコミットをさせるというやり方。
達成することが成功体験としての喜びとなり、その上の数字を達成することが評価につながるので、実際に頑張って目標以上の数字を達成することもある。
毎月昇降給させる仕組みも若手の営業をやる気にさせる。
連続達成は無条件に昇級、昇格させる。
評価が絶対なのでみんながやる気になり、競争関係が健全。

ストック収益重視

もう一つ提携先の経営から学んだことが事業を作る、モノを売る、収益を得る、それらを横串で評価する絶対軸。
その事業がストック収益になるのか?という評価軸
これは「会社を経営する=維持する」という意味に置き換えたときに極めて重要な考え方。
フロー型収益は非常に安定しないが、ストック型収益とバランスを取ることで非常に経営が安定する。
例えば、ベストクリエイトのモデルはコンテンツの会員獲得費のアフィリエイト、つまりは中抜き型のビジネスであり、各携帯ショップの獲得数によって収益が変わってくるフロー型のビジネスだった。
これに自社のコンテンツ事業も立ち上げて、自社の獲得販路に流すことで、ストックで入ってくるコンテンツビジネスを始めるようになった。

最後に

どうしても伝えたかった3つのこと。

  1. 信頼できる第三者の目を得ること
  2. フローとストックの収益を意識した経営
  3. 大胆に動き”続けられる”か

実際に自分のビジネスを始める前に試していたというのは、いわゆるMVP(Minimum Viable Product)を作っていたということで、このあたりのやり方はさすが!だなと。
また営業組織の作り方に付いても非常に参考になる話が聞けました。
意外にC向けサービスだと、対人営業とは異なるノウハウになるので、関係ないと思いがちですが、担当者との握り方の話は共通するんじゃないかと思いました。


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