先週のMOVIDA SCHOOLはココナラの南さんでした。
南さんは新卒で当時の住友銀行(現三井住友銀行)に入行、その後PEファンドのアドバンテッジパートナーズを経て、起業してウェルセルフを設立。
アドバンテッジパートナーズ時代にMBA取得のために英国に留学し、この時に出会ったNPOの日本法人を起ち上げを手伝い、更に自分でもNPOを起ち上げたことが創業のきっかけになっていたそうです。
ココナラはインターネットだけで完結するサービスをワンコインで出品・購入の出来るマーケットプレイスで、現在は21ジャンル、10,000種類ものサービスが提供されています。
2012年7月にサービス開始以降、登録会員数6万人超、成立取引数4万件超までに成長してきています。
C2Cマッチングサービスの起ち上げに関するストーリーについてお話頂きました。

起業のきっかけ

英国留学時代に音楽を通じて高校生を中心とする若者の育成支援を行うNPO法人と出会い、その日本法人の起ち上げを手伝った。
また、自分でも「二枚目の名刺」というNPO法人を起ち上げたのだが、世の中の一般的な社会人は自分が持っている名刺での活動、つまり自分の属している会社の仕事の就業時間外の活動で自分が社会に貢献できるということに気付いておらず、NPOなどの活動に関わることにより自分の持っているスキルを活用して自信につなげたり成長を促すことができるという自身の経験から起ち上げた。
自分のスキルを別の誰かに提供することができるというこのときの気付きがココナラのアイデアのベースになっている。

直接的には震災がきっかけとなり起業するために退職。
当初はヘルスケアのアイデアの事業を起ち上げる予定であったが、検討過程でどうやってもスケールさせることが難しいことが分かり事業化を断念。
このときに栄養士の人が病院内でのアドバイスにとどまらず、一般の人の相談にのることが出来ればという話を聞き、「自分のスキルを別の誰かに提供する」という元々あったアイデアがいけるのではないかと直感した。
個人が自分のスキルで稼ぐためと考えると単価が高くなり、これらを数百円で切り売りするのでは成り立たないと思っていたが、潜在的にちょっとした相談にのってほしいというニーズ、誰かの相談にのってあげたい個人の想いというのはあるはずと栄養士の話からイメージができ、個人の力をエンパワメントするマイクロサービスのプラットフォームは成り立つのではないかと。
一つ一つはニッチ過ぎて、仕事して成り立たないような相談したいことというのは相談したい人の立場にたてば山ほどあるはずで、こういったものを全て集約することが出来れば一定以上の規模になるんじゃないかと考えた。
これはウェルセルフを起ち上げたときにミッションとしていた『より多くの個人が「自分のストーリーを生きる」ためのサポートする。』とも合致していて、自分たちがやるべきサービスだと確信して始めることにした。

ユーザーニーズを探るためのリサーチ

ヘルスケアサービスに関してはユーザーのニーズをリサーチせずに失敗したので、同じ轍を踏まないように事前のリサーチをクイックかつ徹底的に行なった。
まず、マイクロサービスになる事例を沢山考えて、そのサービスを欲しいと思うかどうかのアンケートを友人を中心に70人に対して行なった。
男性と女性とで使いたい理由が分かれていて、男性はビジネス的、女性はパーソナルな目的が強いという傾向があるなど、結果は見事にバラけることになった。
これによりニーズは非常に多様なものであるということが分かり、このアイデアはイケルという想いを強めた。

余談ではあるが、この時のアンケートは友達が中心であったが、その時の結果をきちんとまとめて返した。
実はこう言うの大事で、アンケートに答えた人は最初のファンになってくれる可能性も高いから。

ユーザーにとって本当に価値のあるサービスか?

コンセプトをブラッシュアップしていく過程で意識したことはサービスのビジョンとユーザーのセルフゴールをマッチさせられるかということ。
欲しいファンクションの本質は?、得たいエモーションは?、結果、どんなセルフイメージが欲しい?のかなど。
コンセプトが固まってきたところでユーザーにとって本当に価値のあるサービスになるかという検証をありととにかく仮説を作ってあらゆる手を使って試した。
掲示板サービスを利用して相談事のやりとりにMVPを試す、スキルを持っている個人が出品者になり得るかを調査するために資格団体に電話営業する、ユーザーインタビューや相談会を実施して人に相談ができることの本質的なバリューを探る、類似した他社サービスを検証する、コンセプトを言語化するといったこと。

自分たちが実現できるサービスか?

趣味で取り組むのではなくビジネスとして取り組むので、外部からの資本を最初から入れていくことを前提にVCやエンジェル、起業家の人たちに、自分たちの考えるサービスが投資対象となりうるのかというのを意見をもらうために回った。
ビジョンと本質的なコンセプトは自分たちで考えたが、それ以外のところは全て外に答えがあるので、ユーザー、投資家、競合、協力者等々、いろんな人達に話を聞きまくっていた。

特に自分たちで実現可能かどうかを確認するために様々な想定されるissueを挙げて、例えばどれくらいの工数・人員で作ることが可能なのか、顧客対応にはどれくらいリソースが必要になるか、マイクロサービスをどれくらい集められるのかといったことについて、一つ一つ確認して言った。
とにかくこういったことを短期間で調べ上げるのに大事なのはフットワークとスピード。
量が質を作り上げるので、どれだけ自分たちの足で稼ぐかがその後の糧になると考えてやり切るのが大事。

ベータ版の開発と仮説検証

ベータ版の目的は実際のユーザーを通しての仮説検証だったので、正式版は最初からベータ版を全部つくり直すつもりだった。
どんな仮説を検証したいのか、どうやったら仮説を検証できたと判断するのかを事前に決めておくことが大事。
とにかくMVPを試し続けて、全速力で仮説検証を行うべき。

コミュニティは最初の空気感が肝

最初の立ち上げについて。
C2Cのマッチングプラットフォームでは特に最初の空気感が肝心なので、良い出品者を出来る限り事前に集めた。
基本コミュニティの質は下がる一方だと考えるべきで、ココナラはモノではなくサービスをやり取りするので特に最初の空気感が大事だった。
良いコミュニティには良い人が集まるが、一旦荒れてしまうと良質なユーザーが寄り付かなくなってしまうからだ。
自分たちのプラットフォームに来て欲しいサービス提供者に対して、1通ずつお願いのメールを送った。
友人たちを中心に1000人にお願いのメールを送り、そのうち400人が会員登録してくれて、200件のサービスが公式オープンの段階で出品された。

共感ユーザーを作り、語り部を増やす

公式ローンチのタイミングでベータ版を使ってくれた人を集めたユーザーミーティングをやった。
ユーザーミーティングではベータ版で分かった数字などを全部赤裸々に話しをして、自分たちがやっていきたいこと、得られた事実からやろうとしていることを説明した。サービスの改善に自分たちも参加しているという感覚をユーザーに持ってもらうことができ、この時に来てくれた人たちはココナラの語り部になってくれた。
ココナラはモノではなくサービスをやり取りするサービスなので中身が見えない。
こうしたサービスを広めるには語り部が必要であると考えた。
顔が見えて正直なこと(数字をできるだけ開示)、出品者向けに丁寧に情報開示、どんなテーマでも話をしに行くなどをやった結果、共感を軸にユーザーが獲得することができた。
このように獲得したユーザーが醸成する空気感がサイトの質を向上することにもつながった。


今回の南さんの話はまさにこれからサービスを起ち上げようとしているProgram参加者にとって、ユーザーのニーズを事前にヒアリングすることの重要性に改めて気付きを与えてくれるものでした。
特にC2Cマッチングにおいてはどれだけ共感してくれるユーザーを巻き込めるかが肝になってくるというところは参考になる話だったと思います。


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