先週のs.schoolは、コロプラの五嶋さんでした。
五嶋さんは、地銀でキャリアをスタート後、ソフトバンクインベストメント(現SBI)に転職しベンチャー投資の管理業務に従事。
その後2006年にDeNAに入社、同社の投資及びM&A責任者として横浜DeNAベイスターズの買収等に従事されました。
現在はコロプラの事業戦略グループで投資・M&Aを含む新規領域を担当されています。
今回は、五嶋さんに『これまで僕が経験したM&Aや組織再編のプロセスでどんな交渉をしてきたのか、みたいなのを通じて、事業推進や資金調達で必要な交渉力ってこうなんだよ、ということを僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』というテーマ(72文字!)でお話し頂きました。

M&A失敗する理由

M&Aが失敗する要因として以下の3つがある。

  1. そもそも買収する必要がない。
  2. 目的が明確でない買収はそもそもありえないが、目的がなければ買収すべきでは当然にない。

  3. 値段が高すぎた。
  4. 高かった・安かったは結果論でしかなく買収後の成否で決まるものである。

  5. 買収前のデューデリジェンス(以下DD)がイケてなかった。
  6. 買収によってその目的が達成できるか?どのようにすれば達成できるか?がDDの中でも重要にも関わらず、それが出来てなければうまくいくわけがない。

検討・交渉の段階から非買収企業とのコミュニケーションを中心に据えて戦略策定や契約交渉を進めなければ、成功する可能性は低くなる。

M&Aにおけるコミュニケーションのポイント

大前提として「M&Aそのものはあくまで手段・手続でしかない」ということを抑えておく必要がある。
M&Aは業務として単体で存在するものではなく、以下の業務を総称してM&Aと考えるべき。

  1. 対象の状態を関係者が正しく確認し、共有するための「デュー・デリジェンス」
  2. 買う側、買われる側、売る側、三者の目的実現のためのToDoを決定する「交渉」
  3. 買う側、買われる側、売る側、三者の目的実現のためのToDoを文書化した「契約」
  4. 契約に基づきを実行する「execution」

売る側(外部株主)は売却代金の入金で目的達成という場合も多いが(一部例外あり)、買う側、買われる側は買収=目的達成ということはまずあり得ない。
M&Aにより事業が成長・拡大していくことが目的であるからだ。
従って、M&Aの成否は、買収後のオペレーションによって決まる。

合併後の統合化作業(PMI)のポイント

最も大切なことは被買収側がPMI成功のための「当事者」として自発的に参画すること。
そのために必要なこととして、過去手がけてきた案件の経験から言えることは以下の3つ。

  1. M&Aによって実現したいことを、被買収側メンバーと共有する。
  2. まず買収側がPMIのToDoリストを作成し、その後、被買収側の意見を存分に聞き、反映させる。
  3. ToDo項目のすべての「目的」・「もたらされるメリット」を明確にして共有する。

実際にリストラが必要であるケースもあったが、対象者となる人間も何故リストラが必要なのかということがよく理解できていれば文句を言うこともなくスムーズに退職していってくれた。
大事なことは何が達成したいことなのかを具体的に被買収側とも共有していくことだ。

とにかくコミュニケーションが大切

原理原則としてコミュニケーションが大事である。

  1. 根気良く続けること
  2. コミュニケーションは費用ゼロなので、同じことの繰り返しになっても根気よく伝え続けることが重要。

  3. 「わかっているだろう」は絶対ダメ
  4. わかっていない・伝わってないは当たり前。
    会社のマネジメントと同じで、伝わっていないのは受けての問題ではなく、伝える側の責任。

  5. 手間暇を惜しまない
  6. 時間が無かったり面倒臭がったり辛かったりしても、絶対に手間暇を惜しまない。
    コミュニケーション量を圧倒的に増やすことが重要になる。

  7. 可視化・言語化
  8. あいまい・遠回しなコミュニケーションは伝わらない。
    数字を用いたりして、できるだけ具体的に「可視化」「言語化」をする必要がある。
    自分たちが理解できている暗黙の了解のことでも、外部から来た人は理解できないことが往々にしてあるのだ。

  9. 透明性
  10. 被買収側のモチベーション維持には「透明性」が非常に大事。
    スタートアップのマネジメントも同じで、会社が何をやっていて自分は何にコミットできるのかが分かることは、チームのやる気の源泉になる。

  11. 相手の立場を理解する
  12. 「数字」「ロジック」「相手の立場の理解」がPMIコミュニケーションの3本柱になる。
    特に交渉のためには相手の立場の理解が重要だ。
    相手が何を欲していて、何が譲れて何が譲れないのか、この線引を「後出し」ではなく「先に」共有しあう必要がある。


五嶋さんの話はM&Aに限らずマネジメントの本質の話で、やはりコミュニケーションがきちんと出来てないとなにごともうまくいかないというのは変わらないのだなと思いました。


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