先週のMOVIDA SCHOOLはロケーションバリューの砂川さんでした。
砂川さんは三菱商事からキャリアスタートし、ハーバードでMBA取得後、GlobespanというVCを経てロケーションバリューを起業し、 NTTドコモにバイアウトされています。
数多くの事業会社との提携の経験があることから、スタートアップが大企業と提携する場合のポイントについてお話頂きました。

Why?(何故やるのか?)

そもそも大企業と提携するのか?ということをきちんと考えなければならない。
起業当初から提携することが事業上の成功につながるという絵が描けていて計画したものであれば、上手く行くかもしれないが、実際のところ成功する提携は本の一握りである。
先方の意向を汲む必要があるため時間が通常はかかり、提携が成立しないことももちろんあるのでかけた労力が無駄になることもある。
むしろしっかり足元を固めることが大事なので、そちらに時間を使ったほうがいいかもしれない。
まずはどうしてやるのか?ということをしっかり考えて欲しい。

What?(何をやるのか?)

提携にも種類は色々あり、大きく分けると業務提携と資本提携。
業務提携は軽い連携のコラボレーションとかアライアンスとか。
資本提携は一緒にジョイントベンチャーを作る、資本注入してもらう(比率によって意味合い変わる)、買収や合併などがある。
資本提携の本質は事業の成功が相手の成功にもつながるということ。
スタートアップが提携したい理由は大企業と組んで加速したい時であるが、相手先にメリットがないと提携交渉が進まないのは当り前。
評価する軸は2つあり、まずは自分の事業と相手先がフィットするかどうか、もう一つは実際に実現できるかどうか。
フィットするんだけど実現が難しい、フィットしないんだけど実現は簡単、こういったケースでも提携を進めたくなるが、フィットしないものはフィットしないし、実現できないものは実現できないので、フィットして実現可能というときだけ提携を進めるべきである。

Who?(誰とやるのか?)

どういう相手と組むかも非常に重要である。
大企業はビジネスアセットが魅力的であるが、必ずしも動きは早くない。一方で中小企業であればスピード感はある。
自社と競合するあるいは自社のサービスを補完する水平関係の企業と組むのか、あるい顧客や仕入先という自社と垂直関係の企業と組むのかという選択肢もある。
業績のいい会社であればノリでドライブされていくが、業績がいまいちの会社のばあいは危機感が提携のスピードをドライブしてくれる。

When?(どのタイミングでやるのか?)

ゴリゴリ技術系の会社の場合は試験利用企業が数社出てきたタイミング。
ウェブサービス系の会社の場合、単月黒字達成した後がいい。
技術は技術が立証されたタイミングがよいので早めがよいが、サービスの場合は技術ではなく掴んでいるお客さんで評価されるので、事業として成り立っていないと先方から魅力を感じてもらえない。

How?(どうやってやるのか?)

まずは自社の提携の目的をはっきりさせること。
どんな形で提携したいのかを決めておき、可能性のある会社を順位付けする。
ピンポイントにしてしまうと、外れたときに取り返しが効かないので複数にアプローチしたほうが良い。

提携による相手先のメリットを明確にする必要もある。
大企業は期待値が高いと自社でやるし、低いとそもそもやらない。
相手との違いを理解することも重要で、先方にとっての規模や成功の定義、どれくらいのスピード感でやりたいのか(時間的猶予が自社にあるのか)が相手とズレ過ぎていると上手くいかない。
自社の強みを最大限に活かさなければいけないが、ない場合でも少なくとも他社より自分たちがとにかく何でも早くやるとかで差別化を図らないといけない。
先方の評価軸を提案するのも大事なやり方で、先方の社内コンセンサス形成をこちらが提案することで提携交渉をリードするができる。

担当してもらう人も自分たちと合う人でないとダメで、そういう人を然るべき人に紹介してもらわないといけない。
出会い方も非常に大事で先方にとっての大事な取引先に紹介してもらうと無碍に扱われなかったりするので、出会い方の演出も必要。
どんなに信頼していてもNDAを結ぶ、ぱくられることもある(そういうときでもサービスのコアを理解していないので、通常は負けることはないが。)
担当する人が自社と提携することで、社内で評価が上がるとか、インセンティブを明確にする。
先方の意思決定プロセスが何ステップくらいあるのか?、誰がどの段階で何を判断するのか?を理解していないと提携をクロージングまで持っていくのは難しくなる。

下手するとすぐに下請け扱いされるので提携交渉に置いては対等な立場であることを強調する。
先方社内に必ず一人は敵がいると思ったほうが良く、そういった時の対応策としては成功をその人の成果に結びつけるように仕向けること。
伝言ゲームだと「思い」が伝わらないので、キーマンへのプレゼンは先方の担当者に任せるのではなく自分でやる必要がある。
大手企業は定期的に人事異動が起こるので、担当が変わると振り出しに戻ったりする。
出来るだけ早く決まったことから契約締結するくらいでやったほうが良く、また暗黙の了解は人が変わると破棄されるので大事なことは契約書に必ず書くようにすべき。

コミットメントを先方と表明しあうこと。目標は高すぎない、低すぎないものにすべきで、高すぎると達成できない、低すぎるとそもそも組めないということになる。
プレスリリースで既成事実化するのも有効で相手を社内的に後戻りさせない、相手社内でも提携事実が認知される効果もある。
提携が実現しても実際に実行部隊を作ってもらわないと何も起こらない。
目先の実績は自社で作るくらいやらないとダメで、実績がないと提携先社内で具体的にドライブしない。

当初の目的が達成できないなら決裂すべきで、下手に妥協すると存続の危機に。
時間だけ無駄に費やして何も残らないという失敗をしないために決断は早くした方がいい。

【番外編】テレビに取り上げてもらうためのtips

ロケーションバリューのお手伝いネットワークやイマナラのサービスはそれぞれテレビで約30回、約20回紹介された。
テレビに取り上げてもらうためのtips的なことも話してもらいました。
まず、最初のとっかかりは新聞の記事に書いてもらうこと。
新聞の記者は毎日ネタを作らないといけないので実はネタを探していて、記事を作ってくれる
もちろん、サービスの中身が記事になるような新しさを持っているのが大前提ではあるが。
記事を書いてくれた記者とは仲良くなっておいて、何か新しいことを始めるときに都度連絡するようにすると取り上げてもらいやすくもなる。
何か予定した記事がなくなって穴が空いたときに載せてもらえる。
新聞に記事掲載されていると、記事を見たテレビ番組が食いついてくることがある。
一度テレビ番組で露出されると連鎖反応が起こる。
テレビの場合は見ている視聴者に対して何でこのサービスが新しくて、受けるのかということをアピールする。
新聞記者のときと同様に番組ディレクターと仲良くするのも大事で、別番組のディレクター紹介してくれたりする。
テレビ番組の場合も同じようにネタを探しているので、サービスとして分かりやすいアピールポイントを作れば取り上げてもらいやすくなる。

当日は具体的な話でオフレコの部分も沢山ありましたが、大企業と提携するためにどうやるのか?というところをかなり詳しく話していただきました。
自分も大企業にいたので、よくわかる部分と、改めて確かに!と思う話でした。


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